スティーブン・スピルバーグ監督の映画『ジュラシック・パーク』では、恐竜時代の琥珀に閉じ込められた蚊からDNAを抽出し、恐竜を現代に甦らせるという内容が話題になりました。
しかし、実際には蚊が吸った血液はすぐに体内で分解されてしまうので、恐竜時代から現代まで完全なDNAが保存されていることは極めて稀と今では考えられています。
しかし、例えば蚊ではなく、実際の「恐竜自体」が生きた当時の姿で封印されていたら……?
そんな妄想が実現したかのようなニュースが飛び込んできました。なんと極めて小さな恐竜の頭部が、生きた当時の姿のまま封じ込められた、9900万年前の琥珀が発見されたというのです。
研究の詳細は3/11付けで、英科学誌ネイチャーにて発表されています。
そもそも琥珀ってなに?
琥珀とは、古代の植物の樹脂が固まった後地中に埋もれ、長い年月を経て化石として発掘されたものです。
非常に美しく、品質の高いものは美術品や装飾品として高値で取引されることもあるのですが、時折、中に当時生きていた生物、例えば虫などが混入したまま化石化した琥珀が発見されることがあります。
よほど貴重なものでない限り、我々一般人でもコレクションとして購入できたりもします。
映画『ジュラシック・パーク』では封じこめられた蚊が吸った血液から採取したDNAを元に恐竜を復活させたという設定でしたが、蚊以外にも様々な昆虫や生き物が実際に発見されています。
レアなものを挙げると、古代の海洋生物で有名なアンモナイトがなぜか琥珀として見つかったりとか、
PHOTOGRAPH BY BO WANG
史上最少の恐竜の頭部がそのまま見つかる
今回琥珀から発見されたのは、なんと史上最小級の恐竜の「頭部」でした。
琥珀の自体はとても小さく、頭部はくちばし部分を入れても長さ1センチあまり。ハチドリサイズの恐竜ということで、今まで見つかった中で最小級の恐竜であることが話題になっています。
ラテン語の「oculus(目)」「dentes(歯)」「aves(鳥)」という単語と、博物館に寄贈したKhaung Ra氏の名前を組み合わせ「オクルデンタビス・カウングラアエ(Oculudentavis khaungraae)」と名付けられたこの恐竜は、始祖鳥などに近い種類にあたり、現生の鳥類とは遠い親戚に当たるようです。
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