【収容違反】実写版SCP財団!?『CABIN』感想、ネタバレ、考察

4.0
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映画レビュー

『CABIN』を観ました。

随分前に見た映画なのですが、ホラー映画好きからすると何度見てもたまらない映画です。

自分が書いた過去記事のリライトにはなるのですが、さっそくレビューしていきたいと思います。

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あらすじ

夏休みに山奥へとバカンスへ出かけた大学生5人。古ぼけた山小屋の地下で見つけた謎の日記を読んだ時、何者かが目覚め、一人、また一人と殺されていく。しかし、その裏に若者たちが「定番のシナリオ通り」死んでいくよう、すべてをコントロールしている謎の組織があった。その組織の目的は? 若者たちの運命は? その先には、世界を揺るがす秘密が隠されていた…。amazon.co.jp

キャスト

デイナ・ポーク – クリステン・コノリー
カート・ヴォーン – クリス・ヘムズワース
ジュールズ・ローデン – アンナ・ハッチソン
マーティ・ミカルスキ – フラン・クランツ
ホールデン・マクレア – ジェシー・ウィリアムズ
ゲイリー・シッターソン – リチャード・ジェンキンス
スティーヴ・ハドリー – ブラッドリー・ウィットフォード
ダニエル・トルーマン – ブライアン・ホワイト
ウェンディ・リン – エイミー・アッカー

実写版SCP財団⁉

以前から「これは実写版SCP財団」「収容違反ものだ!」と一部界隈で話題になっていた映画です。

内容としては、ホラー映画にありがちな、山荘に遊びに来た若者がゾンビに襲われる話。

しかしこの映画は冒頭から、その若者たちが何か特殊な機関に監視されて、陰謀に巻き込まれていそうな様子が描写されています。どうやら若者たち一行は正体不明の機関の陰謀により山荘に導かれ、何らかの儀式の生贄にされそうになっているようです。

謎のモンスターをけしかけられ殺されそうになる上に、機関の職員たちの賭けごとの対象になっていると言う散々っぷり。

そう、どこかで観たような山荘、ビッチと脳筋とガリ勉と処女とオタク。

彼らが一緒に、どこかで観たようなモンスターに襲われ、怪しい組織に監視されてるという「どっかで見た」で構成されてるのがこの映画の肝なのです。

もはやテンプレと化したホラー映画の「お約束」を逆手に取り、こういうお約束は謎の機関が起こしてるんだよ!というちょっと皮肉な理由付けをしているのがこの映画なのです。例えばホラー映画でいきなりイチャイチャを始める男女は最初に犠牲になるというというのもまたお約束ですが、それも実は謎の機関が室内にフェロモンを空気中に流し込んでいるから……という理由があったのです。

他にも、団結して脅威に立ち向かえばいいのに個別に行動したがる登場人物も、薬品によって判断能力を鈍らされていたり、ホラー映画にありがちな事は全てその機関が糸を引いていたのだ……という設定になっています。この山荘以外にも、日本やロシア、イギリスでも同時刻に機関による儀式が行われており、日本では小学生に貞子的な幽霊がけしかけられている……という始末。

メタフィクション的構成が非常に見事で、つまり機関の職員=ホラー映画のお約束を楽しむ僕たち視聴者という構成になっています。ありがちな行動に期待し、ありがちな結果に満足する。あらゆるホラー映画により積み重ねられた伝統的な展開の繰り返しを楽しんでいる視聴者ではありますが、しかしちょっと待ってほしい。僕たちは心のどこかで、やっぱり新しい展開、意外性を求めてはいませんでしょうか……?

終盤ネタバレ

機関が生贄を支えていたのは「旧支配者」という存在でした。

定期的に、五人の生贄を儀式形式で捧げなければ世界は滅亡してしまうらしく、クトゥルー神話的な怪物を封印する為に、機関が設立され、そのためにゾンビから狼男、殺人鬼や機械生命体などの怪異が収容されていたと言うお話だったのでした。

最終的に山荘から逃げのびた男女達は機関に侵入し、怪物たちを解き放って大カタストロフを展開した挙句、彼らは生き残り儀式は失敗、旧支配者が蘇り、世界を滅亡させるというオチでした……。

メタ的な構造が絡みに絡んだ本当に良く出来た映画で、最後に現れた巨人の手が世界を終わらせるというのも「普通の内容ばっかじゃ視聴者は満足しないんだぜ!」という映画ファンたちの声無き声の現れだったのかという事を、製作者達が示している気がしました。

考えてみると、世界でいくつも行われていたはずの儀式が、全て同じタイミングで失敗すると言う事など有り得るでしょうか?

儀式の成功率が高いと言われていた日本でさえも、貞子的な幽霊は封印されてしまったたのです。

つまるところ、僕らはお約束なホラー映画に飽き飽きしていて、そんなものしか作れない製作陣は映画業界ごとブッ壊れちまえよ!という声があの旧支配者として現れたのではないでしょうか。

メタ的な視点を抜きで考えると、個人的に気になったの特殊部隊全滅シーンでした。収容されていた怪物怪異たちが一斉に解き放たれ、鎮圧に向かった特殊部隊は無残に引き裂かれ血みどろの地獄絵図と化す。

しかし、流石に化け物を収容している機関としては軽装備過ぎないかと言う疑問が残っていました。アサルトライフル程度の武装じゃあれほどの数の怪物相手に勝てるわけも無いし、そもそもボタン一発で怪物が全員解放されるという警備体制もかなり甘すぎる気がします。

ガス発生装置も電気系統をやられてしまえば無力に過ぎません。職員たちは混乱にまったく対処出来ず、脱走したホラーモンスターたちになすすべもなく惨殺されていきます。

考察:機関の正体とは…

もしかすると、初めはSCP財団のように崇高な理念を以って設立された機関で、大幅な予算と優秀な人材を以って世界中の怪異を収容し、そして旧支配者封印の為の施設を建造したのではないでしょうか。

しかし、年月が経つに連れ官僚的な組織の仕事がどんどんルーチン化してしまい、ずっと危険が起こらないが故に緊急対処の為の予算は削減、武装は軽度なものしか装備されなくなり、職員の危険意識も薄れていったのではないでしょうか。

職員が暇そうに賭けごとをしていたのも楽観的な視点が定着してしまったことによるものと考えると、納得がいきます。そんな内部腐敗が全世界の組織で起こり、積み重なっていったがゆえに、最終的な大カタストロフに繋がったのではないか……

総評:ホラー映画版アベンジャーズ

表向きのストーリーラインでも凄く面白い映画だし、メタ的な視点でも楽しめる意欲作だと思いました。

後に『アベンジャーズ』を監督するジョス・ウィドン執筆の脚本ですが、出てくる怪物もまさにホラー版アベンジャーズといった所であらゆるホラー作品に出てきた怪物を意識している豪華っぷりです。

機関の所長がシガニー・ウィーバーだったり、若いころのクリス・ヘムズワースが出ていたりするのも見どころの映画なので、全ての映画を愛する人に見て欲しい作品だと思いました。

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