皆さん、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは好きですか?
僕は大好きです! 中でも『ジュラシックパーク・ザ・ライド』はUSJに行くたび何回も乗っており、絶叫マシーンがかなり苦手な僕でも、つい乗ってしまうほどの大ファンだったりします。
しかし、絶叫マシーンという部分が注目されがちで、肝心の恐竜についてはあんまり語られていないのかな……?という感覚があり、恐竜大好きな僕としてはちょっと寂しい気持ちがありました。
そこで、今回は恐竜好きの僕が『ジュラシックパーク・ザ・ライド』に登場する恐竜の種類について、ライドに出てくる順番で解説していきたいと思います!
ウルトラサウルス
ライドに乗り、最初のゲートをすぎると、最初に来るのが「ウルトラサウルス・ラグーン」のエリア。
湖から長い首を悠然と出し、巨大な姿で出迎えてくれるのがこの恐竜。
映画本編には登場していない恐竜ですが、ブラキオサウルスと同じ竜脚類に属しています。
奇しくもブラキオサウルスと同じく、その巨大さで観るもの全てを圧倒し、パークに訪れたビジターを迎える役割をする、美味しいポジションの恐竜です。
実は「存在しない恐竜」だった?
1979年、アメリカのコロラド州ドライメサで、当時発見されていたどの恐竜のものより大きい肩甲骨の化石が発見され、史上最大の恐竜「ウルトラサウルス」と名付けられました。肩甲骨の形状がブラキオサウルスそっくりだったため、ブラキオサウルスに似た姿に復元されました。
……が、しかし。
後の研究で、発掘された骨のうち、幾つかはディプロドクス科に属するスーパーサウルス のものであるこという事が判明、残りの骨については、ブラキオサウルスのものであることが分かりました。そのためウルトラサウルスは現在では無効な名前、つまり存在しない恐竜となってしまいました。
後の研究により、先の研究結果が無かった事になる……古生物学の歴史ではよくある事なのですが、皮肉にも現実世界では既に存在しない名前となって久しいウルトラサウルス。
ですが、ジュラシック・パークの世界ではどうやら別のようです。インジェン社が再生したウルトラサウルスは、今も元気にジュラシック・パークにて、人々を迎え続けています。
プシッタコサウルス
ウルトラサウルス・ラグーンに生息しているもう一種類の恐竜。
「オウムのトカゲ」という学名の通り、間抜けな顔が愛らしい植物食恐竜であり、ジュラシック・パーク ザ・ライドでは「トリケラトプスなどの祖先」と解説されています。
実は羽毛が生えていた?
しかし現在はトリケラトプスたちの祖先というよりか、初期の角竜とは別に「プシッタコサウルス科」に枝分かれした別種類と考えられているそうです。
ジュラシック・パーク本編には未登場ですが、最近では尻尾にブラシのような羽毛が生えていたり、化石からカムフラージュ状の模様があった事が判明しており、最近、再び注目を集めている恐竜でもあります。
ステゴサウルス
「ステゴサウルス・スプリングス」に生息している草食恐竜。
背中に生えた剣のような背びれや、尻尾に生えたスパイク状の棘が目を引く恐竜で、映画『ロストワールド ジュラシックパーク』にも登場し、かなりの知名度を誇る恐竜です。
背びれや尻尾の棘は何のために?
背びれの役割については諸説ありますが、背びれの骨の内部には血管が通っていた痕跡があり、体温を調節する役割があった可能性や、求愛行動など仲間同士のディスプレイに役立っていたと考えられています。
また、尻尾のスパイクは肉食恐竜から身を守るための武器として用いられていたと考えられています。
実際、ステゴサウルスのスパイクに傷つけられたと思しき肉食恐竜アロサウルスの化石も見つかっており、尻尾の遠心力を利用して強烈な一撃を見舞う武器だった模様です。
パラサウロロフス
「ハドロサウルスの入り江」の入り口に生息しているカモノハシ竜の一種。
頭頂から後頭部まで伸びるトサカが特徴的な草食恐竜で、映画『ロストワールド ジュラシックパーク』にも登場してます。
ジュラシックパーク・ザ・ライドでは水の中に潜っている状態から突然顔を出し、ボートに乗っている乗客を驚かせてくれます。
長いトサカは何のために?
パラサウロロフスの特徴といえば、頭に生えている長いトサカ。
パラサウロロフスのトサカの内部は空洞になっており、以前はシュノーケルのように水の中に潜る際、呼吸をするための管と思われていました。一昔前、体の大きな草食恐竜は基本的に水棲と考えられていたため、ジュラシックパーク・ザ・ライドでは、この説が反映されたものとなっております。
現在ではトランペットのようにトサカの内部で声を反響させたりだとか、またオスのほうがトサカが大きい傾向にあることから求愛行動として使われた説が有力となっています。
ハドロサウルス
ジュラシック・パーク ザ・ライドは途中で本来のコースを離れ、危険なエリアへ迷い込んでしまいます。
本来であれば「ハドロサウルスの入り江」に行くはずだったジュラシック・パーク ザライドですが、そもそもハドロサウルスとは?と疑問を持つ方も多いと思います。
事実、映画や派生作品にも出ておらず、知名度的にはそこまでメジャーではない恐竜です。
日本にも生息?映画未登場の「幻の恐竜」
ハドロサウルスとは、パラサウロロフスと同じ、ハドロサウルス科に位置する恐竜です。カモノハシのようなくちばしを持ち、中生代白亜紀にて最も繁栄した草食恐竜と言われています。
余談ですが、北海道のむかわ町で発見され、2019年9月6日に命名されたばかりの新種の恐竜「カムイサウルス・ジャポニクス」もハドロサウルス科の一種となります。
日本にもジュラシック・パークに登場するような恐竜が生息したと考えるだけでも、ワクワクしませんか?
コンプソグナトゥス
映画では2作目『ロスト・ワールド』から登場。最新作『炎の王国』まで出演し、どうやら最新作『ドミニオン』の登場も内定しているらしい、コンピーの相性で知られる、地味に人気な小型恐竜。
「かわいい顎」という意味の学名通り、ニワトリサイズのカワイイ見た目の恐竜です。映画でもライドでも集団で人を襲う残忍な小型恐竜として描かれています。
実際はそこまで獰猛じゃなかった?
しかし実際はそこまで凶暴ではなく、小さな昆虫や爬虫類を食べていたことがわかっています。
発見当初から始祖鳥との近似が指摘されていましたが、最近では羽毛が生えていたのではないかという説も上がっており、現在の鳥に近しい恐竜だったようです。
ジュラシック・パーク ザ・ライドでは、パークの従業員のシャツを引っ張っている残忍な様子を見れますが、そのシャツの名札には「Mikey E」と書かれています。
東のミッキーさん、さて、一体誰のことでしょうか?
ディロフォサウルス
『ジュラシック・パーク』一作目にて、恐竜の遺伝子を盗み出したデニス・ネドリーと遭遇し、エリマキで威嚇した後、毒液を吹きかけたシーンが印象的な姿です。
ライドでは乗客に毒液ならぬ水を勢いよく吹きかけているので、びっくりした方も多いハズです。
本当に毒があったの? エリマキは?
映画やライドではエリマキと毒が印象的に描写されているディロフォサウルスですが、実のところ、エリマキや毒があった証拠は一切見つかっていません。
本来のディロフォサウルスは体長5メートルから7メートルと、劇中に出ているものよりも巨大な中型肉食恐竜でした。最近の研究では積極的に獲物を狙うハンターとして優秀だったとされているので、そもそも敵を威嚇するための毒やエリマキなど必要がなかったのかもしれません。
余談ですが、シノルニトサウルスという恐竜には、現在のコブラなどにある「毒腺」があったのではないかと指摘する研究者もいます。現代の爬虫類には毒を持った種類はたくさんいるので、少なくとも毒を持った恐竜がいてもおかしくはありません。今後の研究で、不明な部分がどんどん明らかになるのが楽しみです。
ヴェロキラプトル
初代『ジュラシック・パーク』から最新作『炎の王国』までシリーズ皆勤賞のお馴染み「ラプトル」。
高い知能と群れで行動する社会性と後ろ足に備えた鋭い鉤爪が特徴的な恐竜で、常に主人公たちを恐怖のどん底に陥れてきたハンターとして有名な恐竜です。
『ジュラシック・ワールド』シリーズでも高い知能は健在で、主人公のオーウェンと種族を超えた絆を示し、ただ残忍なだけでない、新たな側面を見せてくれた恐竜です。
ライドでは本編と同じく飼育場から脱走し、ボートで脱出しようとする乗客を襲いに現れます。
実はあんな姿じゃなかった? 羽毛が生えてた?
実は映画に登場したヴェロキラプトルは「デイノニクス」という恐竜がモデルになっています。
ヴェロキラプトルもデイノニクスと同じドロマエオサウルス科の恐竜ですが、実際のヴェロキラプトルはコヨーテほどの大きさで、劇中に登場するものと比べると随分小さい大きさとなっています。
ジュラシックパークの原作が執筆された当初、デイノニクスはヴェロキラプトルの一種と考えられていた為、また映画において、監督のスピルバーグがヴェロキラプトルという名前の語感を気に入ったからというのが理由とされています。
同じドロマエオサウルス科のミクロラプトルやシノルニトサウルスなどに羽毛が生えていた痕跡が発見されており、したがってヴェロキラプトルやデイノニクスにも羽毛があったと考えられています。このドロマエオサウルス科の一部が進化し、今の鳥になったと現在では推測されています。
ティラノサウルス・レックス
6600万年前の白亜紀後期に生息した地球史上最大の肉食動物であり、最も有名な恐竜と言っても過言ではありません。
『ジュラシック・パーク』では停電と同時にパドックから脱走し、鋭い嗅覚と巨体からは考えられない敏捷性で、グラント博士たちを恐怖のどん底へと陥れます。しかし最後にはビジターセンターでラプトルたちに襲われていたグラント博士たちの前に再び現れ、まさに恐竜の王者としての貫禄を見せつけました。
『ジュラシック・ワールド』では人造恐竜インドミナス・レックスとの対決にて見事勝利し、改めて、最強の恐竜に相応しい活躍を見せつけてくれました。『ロストワールド』『Ⅲ』では登場個体こそ違うものの出演しており、シリーズ皆勤賞となっている大人気恐竜です。
ライドではボートが落下する前のクライマックスに登場し、大迫力の演出の立役者となっています。
実際は走れなかった?
映画ではマルコム博士一行が乗るジープを追いかけたりと、巨体にも関わらず敏捷なハンターとして描かれていましがた、後年の研究で「実はあの巨体で走るのは無理がある」という説が出ており、実はあまり狩りをしない腐肉食者(スカベンジャー)だったのではないかと推測されていました。
しかし当時の研究は食用のニワトリをベースにした研究だった事もあり、最近の研究では、実はなかなかの速度で移動できたんじゃないか?と考え直されています。
加えて、ティラノサウルスはアークトメタターサル構造(陸上脊椎動物の脚で、中央の中足骨の上の方が潰されたように挟まれた構造の事)という足の作りを持っており、例えばダチョウ恐竜のオルニトミムスなど、足の早いとされている恐竜と同じ特徴を持っています。
他にも様々な証拠から、ティラノサウルスが獲物を追う優秀なハンターだったと推測されています。
羽毛ふさふさだった?
時々、ティラノサウルスが現在の鳥のように羽毛でふさふさなイラストを目にしたりします。
しかし、2020年現在、ティラノサウルスに羽毛が生えていたという証拠は一切見つかっていません。
なぜ羽毛説が浮上したかというと2004年、白亜紀前期の中国遼寧省熱河層群から発見されたディロング・パラドクサスという原始的なティラノサウルスの仲間の化石に、羽毛の痕跡が認められたのです。
2012年にはモンゴルで、ユティランヌスという同じティラノサウルスの仲間の恐竜が見つかっており、こちらにも羽毛の痕跡が確認されています。
このことから、ティラノサウルスにも羽毛が生えていたのではないか?と考えられていますが、ディロングは全長1.6メートル程の小型な恐竜で、またユティランヌスは平均気温10度ほどの寒冷地に住んでいたとされています。
羽毛の主な役割は「保温」ですが、ご存知ティラノサウルスは全長約12.5メートルほどの巨体を誇り、比較的温暖な地域に生息していました。もしティラノサウルスの全身が羽毛に覆われていたら、体温が体の中にこもってしまい、とても機敏には動けなかったでしょう。
また、ティラノサウルスの皮膚の一部は化石として見つかっており、体のほとんどはウロコで覆われていたことが明らかになっています。おそらく羽毛が生えていたのは生まれて間もない幼少期の頃か、あるいは体の一部に生えていたと推測されます。
ティラノサウルスは一番有名な恐竜と言っても過言ではないですが、長年研究者により議論が続けられた結果、ジュラシックパークの描写はあながち間違いではなかったとされているのが面白い部分です。
まだ間に合う!『ジュラシック・パーク』シリーズはどこで見れる?
以上、ジュラシックパーク・ザ・ライドに登場する恐竜を解説してみました。
ジュラシックパーク・ザ・ライドはもちろん何の知識もなくとも楽しめるアトラクションですが、映画の知識を持っているのとないのでは、面白さが段違いです。
また、2021年にはジュラシックシリーズ最新作『ドミニオン』公開予定!
それまでに今までの作品をおさらいしておきたい人、ジュラシックシリーズを見たことが無い方は、この機会に是非観てみることをおすすめします。
ジュラシック・シリーズ全5作を網羅したDVD、ブルーレイの完全パックが出ています。
U-NEXTなら無料で観られる!
ブルーレイもお求めやすい価格ですが、個人的におすすめなのはU-NEXTです!
『ジュラシック・パーク』から最新作の『炎の王国』まで、シリーズ全てが見放題で配信されているので、場所や時間を選ばず、シリーズを視聴することができます。
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かくいう自分もこの無料キャンペーン期間に映画を見まくりました。
無料期間中に途中解約してもデメリットは一切ありません!
『ジュラシックパーク・ザ・ライド』に乗る前の予習・復習とあわせて、また最新作『ドミニオン』の予習として、過去作を観てみてはいかがでしょう!
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