モンスターパニック映画の傑作誕生!『クワイエット・プレイス』感想とネタバレ、考察

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映画レビュー

『クワイエット・プレイス』を観ました。

『ミッドサマー』を観に行った時にPART2の予告が放映していたので気になったのですが、個人的にかなり面白かったのでレビューしていきます。

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あらすじ

「ボーダーライン」「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のエミリー・ブラントが主演、ブラントの夫でもある俳優のジョン・クラシンスキーが監督・脚本を手がけ、全米でスマッシュヒットを記録したサスペンスホラー。ブラントが主人公となる一家の母親エヴリンに扮し、エヴリンを支える夫のリーをクラシンスキーが自ら演じ、夫婦共演も果たした。聴覚障害を持つ娘役は、自身も同じ障害を持つ「ワンダーストラック」のミリセント・シモンズ。音に反応して人間を襲う「何か」によって人類が滅亡の危機に瀕した世界で、「決して音を立ててはいけない」というルールを守り、生き延びている家族がいた。彼らは会話に手話を使い、歩くときは裸足で、道には砂を敷き詰め、静寂とともに暮らしていた。しかし、そんな一家を想像を絶する恐怖が襲う。
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キャスト

イヴリン・アボット – エミリー・ブラント
リー・アボット – ジョン・クラシンスキー
リーガン・アボット – ミリセント・シモンズ
マーカス・アボット – ノア・ジュープ
ボー・アボット – ケイド・ウッドワード
老人 – レオン・ラッサム

音を立てたら、即死。キャッチコピーに嘘偽りなし

舞台は荒廃したアメリカのとある田舎町。誰もいなくなった街中の物資を漁る家族の姿から始まります。何者かに侵略されたような風を思わせる、荒れた薬局の店内を物色する子連れの家族だが、しかしどこか神経質なまで、何かの存在を気にしているかのように、息をひそめている…

しかし探索の帰り道、三兄弟のうちまだ幼い末っ子が、こっそり持ち帰ったおもちゃのロケットに電池を入れ、音を鳴らしてしまいます。

両親が血相を変え駆け寄るも次の瞬間、上空から飛来した謎の怪物に、末っ子は影も形もなく連れ去られてしまうのです。

まさしくこの、音を聞きつけた瞬間現れた怪物が、人類を滅亡寸前までに追いやった原因でした。
メキシコに落下した隕石から現れたとされる、聴覚が異常発達したエイリアンは、アメリカだけでなく、その他主要国家のことごとくを恐怖の底に陥れているらしい。

「音を立てたら、即死」というキャッチコピーが印象的な映画で、「別にそこまでじゃないだろ…」と思って見てていたのですが、この怪物の登場で一気に引き込まれました。

音に反応する奴ら…怪物の正体とは?

僅かな音を聞きつけただけで襲い来る怪物から逃れるために、アボット一家は農場に立てこもって暮らしています。話し声を聞かれないために手話で会話し、足音を立てないため常に裸足で歩いたり……「聴覚が発達した怪物」がいる世界観における生活の描写がとてもうまい映画と思いました。

序盤は存在を匂わせる程度に出てくるのみでしたが、終盤、アボット一家が住む農場に侵入してくる際に、怪物の姿が明らかになります。

目や鼻が退化し、聴覚だけが異常発達したクリーチャーは『バイオハザード2』に登場するリッカーや『The Last of Us』に登場するクリッカーを思わせるようなグロテスクな造形。

おまけにヒト型のシルエットを残しながら四足で高速移動する様は「まともに戦っては勝てない」と思わせる怖さがありました。

作中では、メキシコに落下した隕石から現れた存在と匂わせる程度にしかディテールが明かされませんでしたが、隕石落下後すぐに、地続きのアメリカだけでなく中国や日本も侵略されていることが分かります。地球外から現れたエイリアンだとするならば、いったい何を目的として襲いくるのか。

どうやら捕食を目的としているわけではなさそう…というのが、ホワイトボードには、父リーが書いたのだろう「要求?」「組織化されている?」「集団で襲う?」「なぜ獲物を食べない?」などの記述から分かるようになっています。

獲物を襲うだけで食べない、組織的に生命体のみを襲う、まさに生きた殺戮マシーン。

例えば知性を持ったエイリアンにより統率された生体兵器…などと考えればつじつまが合いそうです。

そのあたりも公開が決まっているPART2にて語られることを期待しましょう。

終盤ネタバレ

※以下ネタバレ注意

農場に怪物の侵入を許してしまい、最悪のタイミングで出産を迎えた母イヴリン。
子供たちを助けるために父リーは自ら犠牲になり、子どもたち二人とイヴリンは地下室に立てこもるも、怪物は容赦なく地下室に侵入し、目の前に怪物が迫ってきます。

絶対絶命の瞬間、聾唖者である長女リーガンが付けていた補聴器から出たノイズを、怪物が極端に嫌がったのです。聴覚が発達した生命体だからこそ、人間には知覚できない周波数を感知してしまったのです。ノイズが弱点と知ったリーガンは、地下室のマイクに補聴器を近づけ、農場のスピーカーからノイズを拡散させます。弱体化した怪物に対し、イヴリンは銃を突きつけ、射殺します。

ついに人類は、怪物への対抗手段を手に入れたのです。

しかし銃声を聞きつけた怪物たちが、農場に殺到する姿が監視カメラに映し出されています。それを見たイブリンとリーガン。リーガンは補聴器を強く握り締め、怪物の弱点を知ったエヴリンは笑みを浮かべながらショットガンの弾を装填し、映画は幕を下ろします。

総評 ホラーながらも熱いラスト。続編に期待大!!

まさに「音を立てたら、即死」というキャッチコピーに嘘偽りないほど、ちょっとした音でも襲い来る怪物が生み出す恐怖がかなり引き立つ映画でした。

怪物がいる世界観において、極力音を立てない工夫をするアボット一家の生活模様や、荒廃した世界の中でもお互いを気遣い、愛し合う家族の姿もうまく描かれており、単純なモンスターパニック映画で片付けるには勿体ないほど、ファミリー映画としての魅力もある映画だと思いました。

90分で起承転結がうまくまとまっており、更に続編に対する期待値も上がるラスト。

『クワイエット・プレイス PARTⅡ』インターナショナル版予告

どうやらPART2では母子が農場から外の世界に脱出する様子や、エイリアン侵略当初の前日譚も描かれるようで、今から公開が楽しみになってきます。

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