『TENET/テネット』を観た。
『TENET』観た!過去と未来、複雑に絡み合う時間の糸の中で渦巻く陰謀の数々……ノーラン作品の中でもかなり難解な作品で、正直観ている途中は???って感じだったけど、観終わったあとに「あれってそうだったのか!」とジワジワと理解できてくる感覚が癖になる。絶対二週目面白いだろなー! pic.twitter.com/42YSb1Vasn
— 零井あだむ (@lilith2nd) October 10, 2020
もともとクリストファー・ノーラン監督の映画が大好きで、ノーラン監督の映画はデビュー作の『フォロウィング』から『ダンケルク』まで全部観ていおり、もちろん今作も観ない理由は無かった。
にも関わらず、正直全然わからんかった(本音)
ぶっちゃた話、作中で何が起きてるかさっぱり分からなかったというのが本音で、劇場から出た後は頭の中にクエスチョンマークが無限に浮かんでいた。長年の映画好きであり、ノーラン監督のファンを自称している自分としても、正直なところ、理解がほとんど追いついていなかった。
だいたいこういう事か?という頭の中での推測は出来たが、とてつもない情報量が頭の中でオーバーフローして、整理が全然出来ていなかった。
例えるならパズルのピースが床一面にぶちまけられている状態に近い。おおよそピースがはまりそうな部分はわかるけど、本当にその場所にピースがハマるのかがわからない。そんなモヤモヤを抱えたまま、映画館を出てきた。
例えば同じくノーラン監督が手掛けた『インセプション』の解釈が分かれるラストや『インターステラー』の時間と空間を利用した秀逸な伏線回収などとは違い、『テネット』では明確な答え合わせが行われず、多くの謎を観客に投げかけたまま、幕が閉じる。
「答えがない」ゆえに面白い
テネットの物語は主人公の「名も無き男」(ジョン・デイビッド・ワシントン)と、彼の協力者であるニール(ロバート・パティンソン)を中心に進行していく。
『テネット』の作中で、二人の過去やバックボーンが深堀りされて語られることはほとんどなく、主人公の本名すら明かされない。
主人公は任務に忠実なCIAのエージェントとして適正を買われ、謎の組織TENETに勧誘される。ニールは主人公の協力者として現れ、第三次世界大戦を食い止める作戦に共に参加することになる。
しかし映画を観終わってみてしばらくすると、少しずつ疑問が湧いてくる。序盤のオペラハウス襲撃からスタルスク12での最終決戦、主人公とニールの関係性、ありとあらゆるセリフやカットに意味があるように思えてくる。
時間をかけて考えていくうちに、じわじわと、自分の中でパズルのピースが繋がっていく感覚があった。
そして、見終わった後に、ネットであらゆる感想や考察を漁っていき、自分の中の解釈と答え合わせをしていくのがとても面白い!
※上記noteの解説と考察が要点をまとめていて分かりやすかったです。ネタバレが含まれるので、是非本編を見てからの閲覧を推奨します。
自分の頭では全ての要素を拾いきれずとも、ネットで語られている感想や考察を見てはじめて「そうだったのか!」と気づきを得る快感は、他の映画では味わいづらいものだ。
素粒子や陽電子、時間の不可逆性など物理学的には難しいワードが見え隠れする本作だが、作品自体は決して難しい作品ではない。パズルのピースが作中各所にばら撒かれており、少しずつ自分の解釈に嵌め込んでいく映画だ。
鑑賞中だけで完結せず、見終わった後にじわじわと面白さが湧いてくる。
映画の内容がわからない、理解できない事が、逆に面白さにつながる事があるんだなと気付かされた、杞憂な映画体験だった。
「逆行」する映画体験
クリストファー・ノーラン監督は「時間」をモチーフにした映画を多く描いてきた。
例えばフィルムを逆回しにし、前向性健忘症の人物を描いた『メメント』
特殊相対性理論やウラシマ効果を描いた『インターステラー』
中でも『テネット』で描かれた「時間の逆行」という題材は、SF的にも作劇上的な意味でも特殊な映画だ。
もしかすると、映画の内容を思い出し反芻することが、つまり僕たちに取っての「逆行」の旅なのかもしれない。
映画を見終わった後、少しずつ疑問点が紐解かれ、次第に「全てが一本に繋がっていく」。そんな快感を覚えられるのは、『テネット』という映画がもたらした奇跡的な体験に他ならない。
最初は映像美と展開に圧倒されるがままに身を任せ、2回目は答え合わせとして観に行く。そして3回目、4回目……気がつけば僕らは、映画館に戻っている。まさしくそれこそが、逆行する映画体験なのかもしれない。
「わからない」が故に「おもしろい」。あらゆる見方で楽しめるテネットは、まさに今の時期こそ、劇場に観に行くべき映画なのだと思った。
『TENET テネット』の予習に!ノーラン監督の過去作がタダで観られる!
『TENET テネット』はもちろん単独でも楽しめる作品であるのは間違いないですが、同じ「時間」をモチーフにしたクリストファー・ノーラン監督の過去作品を履修しておくと、面白さが段違いです。
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『メメント』から『ダンケルク』までクリストファー・ノーラン監督作品がなんと見放題で配信されているので、場所や時間を選ばず、ノーラン監督の過去作品を視聴することができます。
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『TENET テネット』を見に行く前に、みなさんも過去作を履修してみてはいかがでしょう!
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